橋梁関連技術 Technical Information

橋梁計画・設計業務

1.鋼管・鉄筋コンクリート複合構造橋脚

本構造は、主鋼材として外リブ付鋼管を断面内部に、軸方向鉄筋を外周に配置し横方向鋼材として帯鉄筋、中間帯鉄筋を配置した構造のコンクリート橋脚で、主に高橋脚に採用されています。
設計は、鋼管を鉄筋とみなし道路橋示方書の規定によりRC方式で行っています。
鋼管の配置によりそれ自体でせん断耐荷力を有するため、急激な耐力低下がなく耐震性能にすぐれた構造となっています。
従来の高橋脚では実績の多い中空断面のRC橋脚に対し、下記のメリットがあります。

  • 1)軸方向鉄筋の大部分を鋼管に置換えることで煩雑で手間のかかる鉄筋組立作業が
  • 少ない。
  • 2)鋼管が内型枠代わりとなり中空の内型枠が不要となります。
  • 3)型枠を工夫することで省力化が図れます。
  • 4)工期の短縮が図れます。
  • 5)1~2割程度コストダウンが図れます。
鋼管・鉄筋コンクリート複合構造橋脚イメージ1
鋼管・鉄筋コンクリート複合構造橋脚イメージ2

完成橋梁

  • 路線:本別士幌線
  • 橋梁:2号橋
  • 橋長:264.80m
  • 幅員:8.50m+2.50m
  • 上部工形式:3径間連続PC変断面箱桁
  • 下部工形式:逆T式橋台、逆T式鋼管合成構造橋脚
鋼管・鉄筋コンクリート複合構造橋脚イメージ3

2.合理化トラス橋

本橋梁形式はこの現場の条件で、架設工方・経済性が最も優れた形式として選定しました。
従来、床版を支持していた縦桁やブラケットなどの床組構造を、合成床版またはPC床版を用いて支持桁間隔を大きくすることにより、省略・簡素化しています。これによって材片数や溶接延長を減らすことが出来、製作工数・現場架設期間の軽減が実現できました。
さらに、耐候性鋼材を使用して塗装塗替えの維持費を無くす工夫をしています。

合理化トラス橋イメージ1

3.鋼・コンクリート合成床版

本床版形式は当社設計の合理化トラス橋のために選定された形式で、耐久性・施工性・経済性に優れており複雑な道路線形にも対応できます。底鋼板とコンクリートをずれ止めにて一体化させた床版で、鋼板が型枠・支保工の役割をするために現場施工の工期短縮が図れます。

合理化トラス橋イメージ1

橋梁点検・橋梁の維持補修設計

1.橋梁点検

高度成長期に多数建設された橋梁は建設後30~50年を経過し、近年には交通量の増大に伴い損傷が目立ち始めた橋梁が少なくありません。
損傷の程度によっては、橋梁の利用者への危険性は勿論のこと第三者への被害に至る可能性もあります。傷んだら取り替えるという時代は終わりを告げ、これからは直して使うという観点から定期的な点検の他、地震時や河川氾濫等の災害時に橋梁ドクターとして損傷のメカニズムを探り効果的で経済的な補修の方法を提案する業務は、これからますます重要となる技術です。

橋梁点検イメージ1

2.橋梁の健全度診断

橋梁を補修する場合、その橋梁の健全度を正しく把握することは非常に重要なことです。
せっかく補修してもすぐに別のところに損傷が出てきて、何度も補修を繰り返すようでは架け替える方が経済的になってしまうケースがあるからです。
鋼部材の錆や溶接部割れ、コンクリート部材の中性化や塩化物イオン濃度、圧縮強度等に着目して、古い橋梁を診断します。

橋梁の健全度診断イメージ1
橋梁の健全度診断イメージ2

施工管理・三者検討会

設計したものが正しく施工されるためには、施工者に設計の意図が正しく伝わる必要があります。また、施工中に思わぬ事態が発生することも予想されます。そんなときの迅速な対応や、発注者と施工者の調整役としてコンサルタントの施工管理業務は重要な役割を担っています。
また、より簡便な方法として近年行われ始めた三者検討会も施工前や施工中に施工者・発注者・コンサルタントの三者が会議形式で留意点や問題点を話し合うことは、良質な社会基盤を作るうえで大変役だっています。

施工管理・三者検討会イメージ1
施工管理・三者検討会イメージ2